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メイン 琥珀、七夜
人間と呼ぶには不幸せで、人形としては儚かったそんな微妙な2人
本編が始まる前にあったほんの少しの会合
そうして人形になりました
血液は蒸発して
血管はただのチューブになる
心はからくりに成り下がって
体は機械仕掛けのように錆付いて
そうすれば、、、、ほら、、、、、もう痛くない
明月夜にて 1話
その日、、、、家族を失ったその日、
妹は大きな屋敷だと、大きなお庭だとずっとはじゃいでいた。
確かに滑り台が何個でも入りそうな大きな敷地___遠野家
巫条の里を失った私たち姉妹は引き取られてここで暮らすことになった。
大きなお城のようなお屋敷はまるで私たちのためにあるような気がして、
そこにある豪華で洒落た器材は私たちをお姫様のような気にさせて、
とても、心が弾んだ
ただひとつ想定外だったのは、
そのお屋敷にはもうお姫様が住んでいて
綺麗で長い黒髪をした、秋葉という女の子がこのお城のお姫様だった
妹は活発で人懐っこい
だからお屋敷で一番えらい人、槙久様に秋葉ちゃんの相手をしてくれといわれても
さほど苦にはならなかった
「秋葉ちゃん_あの人形全部秋葉ちゃんの?」
「う、うん。あの端のは兄さんのだけど、、、」
「すごいすごい!ねぇ、姉さん凄いよ?秋葉ちゃんさわってもいい?」
「、、、、、うん」
「わーい!」
「ひ、翡翠ちゃん_壊したりしちゃだめだよ?」
雨の日は内、晴れの日は外
夜空を見たり、雲を眺めたり、
毎日が楽しくて、毎日が嬉しくて、毎日が当たり前のように過ぎていきました
ただ、
いつも気になっていたのは、
お屋敷の2階、
あの窓から
いつもさびしそうな目で
あの蒼い目でこちらを見ている
七夜という少年が、
居たことだった
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